1-4埋め込み文字列のフォントサイズを全て変更する
1-3で生成したPDF帳票を見ると埋め込んだ文字列のフォントサイズが全体的に大きすぎます。
テンプレートPDFファイルを作成時に、フォントサイズを”自動”としたフィールドに埋め込み処理をする場合、デフォルトフォントサイズを使用します。
このデフォルトフォントサイズは、影響範囲によって2つの方法で設定することが可能です。
A) すべてのReportオブジェクトに対するデフォルトフォントサイズ
B) あるReportオブジェクトインスタンスに対するデフォルトフォントサイズ
まずA)の方法で、埋め込む文字列のフォントサイズを全て変更してみましょう。
すべてのReportオブジェクトに対するデフォルトフォントサイズを利用するAPI及び、記述例は以下の通りです。
【利用API-1】
クラス:StandardReportConfig
メソッド:getDefault()
【用途】
デフォルトの設定値※を取得します。
- ※
- デフォルトの設定値:エンコーディング名称、フォント名称、フォントサイズなどをreport.propertiesファイルにユーザが設定します。
【利用API-2】
クラス:StandardReportConfig
メソッド:setDefaultFontSize(float fontsize)
【引数】
fontsize:フォントサイズ{範囲:0 - 3.4028235e+38f(=Floatの最大値)}
【用途】
取得したStandardReportConfigのデフォルトフォントサイズを変更します。
記述例
//StandardReportConfigからデフォルト情報ファイルを取得する。
StandardReportConfig conf = StandardReportConfig.getDefault();
//フォントサイズを11ポイントに変更する。
conf.setDefaultFontSize(11);
記述例を参考にして、埋め込み文字列全てのフォントサイズを変更するコードを追記してください。
追記されたコードはこちらをご覧ください。
◎javaファイル:cookbook1/chapter1-4/OrderFormFinA.java
コードの追記が終了したら、プログラムを実行し生成されたPDF帳票を開いてみましょう。
埋め込んだ文字のサイズが全て変更されていることを確認してください。
◎出力されたPDF帳票:cookbook1/chapter1-4/OrderFormFinA.pdf
1-4のような、フィールド全体やPDF帳票全体に関わる設定は、ReportConfigインスタンスを使用して行ないます。
StandardReportConfigは、ライブラリで標準で用意している唯一のReportConfig実装です。
これは、WKC_PDF_HOME/resourcesディレクトリ配下のreport.propertiesファイルから設定値を読み込みます。
テンプレートPDFファイルを作成時に、フォントサイズを”自動”としたフィールドは、このファイル内で指定したデフォルトフォントサイズを使用します。
このプロパティファイル内のdefault.font.sizeエントリの値を変更すれば、テンプレートPDF定義時にフォントサイズを”自動”として設定した場合のデフォルトサイズを指定できます。
あるReportオブジェクトのデフォルトフォントサイズを設定する場合は、Report.setDefaultFontSize(String)を使用します。
【 注意 】
APIを使用して設定値を変更しても、StandardReportConfigインスタンスで保持している属性値を変更する処理しか行ないません。
よって、report.propertiesには反映されませんのでご注意ください。