1.ご利用いただけるAcrobatの機能について
WPRLでは、Acrobatが提供する機能を限られた範囲で活用し、差込対象フィールドの定義情報を設定します。
ツールとしてご利用いただけるものは、テキストフィールドツールと電子署名ツールの2つです。
テキストフィールドツールにつきましては、「テンプレートの作り方」にて紹介していない詳細機能を利用しPDFを作成した場合、これを正常にテンプレートコンパイルすることはできません。
特に、以下のAcrobatの機能を利用したPDF文書をテンプレートとした場合には、
- テンプレートコンパイルに失敗する。
- テンプレートPDFファイルのサイズが大きくなり、PDF出力に計算機資源を消費する。
といった問題が発生することを確認しております。
以下の機能の使用をお控え下さいますようお願い申し上げます。
ご利用をお控えいただきたい機能
1.TouchUpテキストツール、TouchUpオブジェクトツールによるPDF文書の編集
2.注釈ツール、描画マークアップツールを利用して注釈またはマークアップを追加する。
3.フォームアクションなどのJavaScriptを含んだPDF文書を作成する。
4.オブジェクト選択ツールによるオブジェクトの編集
5.Acrobat8.0から導入された機能 「Adobe LiveCycle Designer」を使ったフォーム作成
6.Acrobat9.0から導入された以下の機能の利用
- 「ムービーツール」を使ったフォーム作成
- 「256ビットAES暗号化方式」
- ファイルサイズを縮小したフォームの利用
2.フォーム定義時のAcrobatの不具合について
2-1.フィールドで設定した値が正常に保存されない
下記のように差込対象フィールドの定義情報を設定し、"閉じる"を押しても設定した内容が正常に保存されないという不具合が稀にございます。
設定方法
Acrobat8.0 以前:
[ツール]/[高度な編集]/[フォーム]/[テキストフィールドツール]
Acrobat9.0:
[フォーム]/[フィールドを追加または編集]/[新しいフィールドを追加]/[テキストフィールドツール]
AcrobatX:
[ツール]/[フォーム]/[作成]/[新しいフィールドを追加]/[テキストフィールドツール]
お客様がこの不具合に遭遇された場合は、情報が保存されない不正なテキストフィールドを一度削除し、新たにフィールドを設計し直してみて下さい。
この方法にて本不具合を回避出来ることを当社では確認しております。
2-2.AcrobatXを使用して、一旦保存したPDFファイルの差込対象フィールド情報のフォント名を変更する場合、変更前のフォント情報が残る
フィールドフォントを利用し、ダイアログ画面にてフォントを設定した後、ファイル保存を行ない、再度フォント設定を行ない保存した場合、変更前のフォント設定情報が保存したPDFファイル内に残ります。
変更手順:
(ツール)パネルウィンドウの[フォーム]パネル/[編集]/(フィールド選択後右クリック)[プロパティ]/[表示方法]タブ/テキストフォント名を変更

例えば、TrueTypeフォントを設定し保存後、PSフォントに再設定し保存した場合に、一度保存をしたTrueTypeフォント情報がPDFファイル内に残り、ファイルサイズが増加します。
不要なファイルサイズの増加は、PDF出力時のメモリとCPU消費量の増加につながります。
テンプレートとして利用するPDFファイルのフォント設定を行なう場合は、新規ファイル保存前に一度きりにしていただくことで回避をお願いします。差込対象フィールドへのフォント設定は、WPRLのプログラムAPIによっても変更可能です。フォント設定変更頻度が高い場合、こちらの手段をご利用ください。